PR

コンプレッサー式除湿機は冬の寒さに弱いのか

メモ
スポンサーリンク

湿度の高い梅雨や気温の低い冬には洗濯物の乾きが悪くなりますが、そんなときに購入を検討したいのが除湿機です。室内の湿度を下げることで洗濯物の乾きを格段に良くすることができます。

しかし、ネットでは「コンプレッサー式は寒い季節に弱く性能が落ちる」と指摘する方もいます。購入を検討されている方の中には、こういったレビューによって購入を躊躇っている方もいるのではないでしょうか。

そこで実際に使用してみての感想とコンプレッサー式に対する誤解について書いていこうと思います。

スポンサーリンク

除湿量は減るが性能は低下しない

「寒さに弱い」とされているコンプレッサー式除湿機ですが、寒くなった冬でも稼働させることで洗濯物の乾きが格段に良くなります。

これは洗濯物から放出される水分を除湿機で回収することで室内の湿度が下がるからで、室内の湿度が下がれば、それだけ洗濯物から空気中に放出される水分量は増え、水分が抜けた洗濯物は乾くというわけです。

気温が高い夏場と比べると時間はかかりますが、除湿機を使用していない環境と比較した場合では圧倒的に早く乾くようになります。特に冬場に乾きが悪くなるバスタオルや厚手のパーカーなどではその差は歴然です。

環境にもよるとは思いますが以前は乾くまでに1日半はかかっていたところが1日で済むといったところでしょうか。洗濯物を回収するタイミングが1日に1回であれば、2日かかっていた乾燥時間が1日に、半分の時間で済むようになります。

スポンサーリンク

冬は除湿性能が下がるは嘘

一部のサイトでは気温が低下する季節に除湿量が落ち込むことから「冬は除湿性能が落ちる」「除湿量が低下する」「寒さに弱い」と記載されていることがありますが、それは気温の低下により空気中の水蒸気量が少なくなっているだけで、見た目の除湿量は低下するものの除湿性能には変化がありません。

つまり、夏でも冬でも湿度を高い状態から低い状態に変えることには変わりがなく、各シーズンにおける除湿機能は同じです。1日あたりの除湿量も各気温の飽和水蒸気量を基準に算出されています。

冬の性能低下についてはデシカント式除湿機と比較されることが多いのですが、デシカント式の仕組みは除湿剤や乾燥剤と同じで、空気中に水分があれば吸湿できるので一定の除湿量を確保できます。

一方で、コンプレッサー式除湿機はコンプレッサーにより熱交換器の一部を冷やし、空気中の水分を結露させることで回収しているので、空気中の飽和水蒸気量に左右されます。

気温が低い冬には空気中から回収できる水分の量が減るため「コンプレッサー式は寒さに弱い」と言われますが、回収量が少ないだけで湿度を下げる働きには一切影響がありません。見た目に騙されてしまっていると言っていいでしょう。

なぜそう言われるようになったのか?

コンプレッサー式除湿機について、話の出所は明確には分かりませんでしたが、大手電機メーカーがハイブリッド式除湿機のページで以下のように記載しています。

従来、当社の除湿機で採用されていた「コンプレッサー方式」には『気温が下がると大きく除湿能力を落とし、特に冬場に使いづらい』という弱点がありました。
この弱点を、気温が低い時期にも除湿力が落ちない「デシカント方式」を取り入れることで克服。『気温に左右されにくく、1年中安定しパワフルな除湿能力を発揮できる』ようになりました。

除湿機の方式を解説 ハイブリッド方式とデシカント方式、コンプレッサー方式の仕組みと違い | 衣類乾燥除湿機の選び方 | コンテンツ一覧 | 衣類乾燥除湿機 | Panasonic
このページでは衣類乾燥除湿機の「方式の違い」について解説しています。ハイブリッド方式とデシカント方式、コンプレッサー方式の仕組みと違いを解説します。パナソニックの衣類乾燥除湿機のサイトです。

影響力のある大手メーカーが除湿量が下がることを「除湿能力を落とす」と表現したことが、このような誤解を招くきっかけになったと考えられます。

このページにはコンプレッサー式やデシカント式についての詳細な説明があり、コンプレッサー式では冬に結露しづらことにも言及していますが、一方で、飽和水蒸気量には触れず、温度差だけの記述となっていることも誤解を生んでいる一因かもしれません。

「コンプレッサー方式」の冷却器を、冷たいコップに例えると
冷たい水の入ったコップを置いておくと、気温・湿度が高い夏場にはみるみるうちに結露した水滴がついていきます。一方、冬場は、気温とコップ表面との温度差が小さいため、夏と比べて水滴はつきにくくなります。

スポンサーリンク

コンプレッサー式の弱点は?

冬でも夏でも使えるコンプレッサー式除湿機ですが、ちゃんと弱点も存在します。

使用時の音が大きい

コンプレッサー式除湿機の仕組みはエアコンと一緒です。コンプレッサーを用いて冷媒となるガスを一方では圧縮し、もう一方では減圧することで冷却や発熱を行います。コンプレッサー式除湿機では冷却側の熱交換器に結露した水分を集めます。

ここで問題となるのが、コンプレッサー式除湿機ではエアコンの室内機と室外機の部分が一緒になっていることです。除湿機は室外機部分が同じ筐体の中に組み込まれているので動作時は結構大きな音がします。エアコンの室外機の音を聞いたことがあれば分かると思いますがゴウンゴウンという感じの音ですね。

個人的には居住空間で使うことはオススメしません。物干し部屋に置くのがベストだと思います。

室温の上昇もある

ヒーターを用いるデシカント式と比較するとコンプレッサー式は室温が上昇しづらいと言われています。構造的には片方が冷却、もう片方が発熱する仕組みのため、理論上の温度はプライマイゼロとなるはずです。

しかし、実際には電気抵抗などにより熱が発生するため、結果的にプラスとなり室温が上昇します。

冬場に部屋を暖められるほどの熱量はありませんが、夏場では未使用時と比べて室温が少し高くなります。除湿されているため不快ではありませんが、快適に過ごせるかというと難しいと言わざるを得ません。

「除湿された空気+送風機能」という使い方で快適さをアピールしているメーカーもありますが、そういう目的であれば最初からエアコンを使用するのがいいと思います。

電気代はそこそこかかる

「デシカント式と比べて電気代が安い」と言われることがありますが、そこまで大きな差はありません。

機種にもよりますが、デシカント式もコンプレッサー式も使用時の消費電力は0.35~0.4kWhほど。衣類を乾燥させる目的で12時間使用した場合の電力使用量は約4.8kWhとなります。

また、湿度が一定以下の場合に運転を控える機能などを使用すると1時間あたり0.2~0.3kWhほど。12時間使用した場合の電力使用量は3.9kWhとなります。

一般的なドラム式洗濯機の乾燥機能では消費電力が1.1~1.3kWh、乾燥時間が2時間ほどとなっていますので電力使用量は2.6kWhとなり、乾燥時間や消費電力を含めて考えるとドラム型洗濯機を使うのが最も早く仕上がり、消費電力も少ないと言えるでしょう。

一方で、除湿機は部屋全体を除湿するため洗濯物の重量を気にしなくてよく、ドラム式洗濯機やエアコンなどと比べ導入時の設置が簡単で、価格的にも優位性がある点はメリットとして挙げられると思います。

スポンサーリンク

まとめ

ネットでは「寒さで性能が低下する」と噂のあるコンプレッサー式除湿機ですが、実際には冬でも除湿能力が低下することなく大量の洗濯物を早く乾かすことができるので、部屋干し派の方は購入の検討をしてみてはいかがでしょうか。

コンプレッサー式でもデシカント式でも、使用できる最低室温は5℃からとなっていますので、寒冷地にお住まいの方は導入する前に使用環境が適しているか確認しましょう。

スポンサーリンク
メモ